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「ラグジュアリーとはプライバシーそして経験の結果である」

What is Luxury?
アンソニー・ラーク氏

ラグジュアリー・リゾート「AMAN」のDNAを引き継ぎ、「アマンプリ」を成功させた伝説のGMアンソニー・ラーク氏。アンソニー氏がラグジュアリーの本質と考えるものを形にしたプーケットの「トリサラ」が、世界中のセレブリティや旅慣れたエキスパートたちを魅了している

第三の天国にある庭

「トリサラ(Trisara)」とはサンスクリット語で「第三の天国にある庭」のこと。プーケットで最も特別な体験ができるリゾートである。
プーケット国際空港からわずか15分ながら、洗練された雰囲気と手つかずの自然を両立させ、プーケット北西部の海岸に面しているのがトリサラである。熱帯雨林とエキゾチックな庭に囲まれ、美しい海に面し、広々としたプール付きの60棟のヴィラ、2〜7ベッドルームのプライベート・レジデンスは、すべてのトリサラ専用の静かな湾を取り囲むように配されている。
時代を超えてタイの豊かな伝統にインスパイアされ、自然抱かれたトリサラは、心と身体のウェルビーイングな体験を提供している。
プライベートヴィラとレジデンスは、全室プールが併設さ、先にはアンダマン海が広がり、比類ないレベルのプライバシーを提供している。
トリサラは、アンソニー氏がアマン・リゾートで培ってきたコンセプトを、より洗練させ、ミニマルにして実現させたものだといえるだろう。

アマンから受け継いだDNA

アンソニー氏がアマン・リゾートで培ってきたものとは一体何なのだろうか。
「アマン・リゾートの創始者エイドリアン・ゼッカ氏が教えてくれたのは、スタッフの熱意を高める方法だ」
それはアマンプリを始めたときのこと。エイドリアン氏は、シンプルにビジョンを示して、ただ同じ部屋にいることで、若いホテリエたちをインスパイアしていたのだ。
エイドリアン氏は、ゲストが気持ちよく過ごしているか、シンプルで正直な食事を提供できているか、居心地の良さについて、アンソニー氏たちに観察して工夫するように促した。また、自宅のように過ごしてもらい、リピーターとして帰ってきてもらう重要性についても問いかけた。エイドリアン氏から影響を受けたアンソニー氏だからこそ、ホスピタリティーにおいて最も重要なのは、ゲストのファミリーのように振る舞うトリサラのチームワークと考えている。
「私たちはお客様に誠実で革新的なサービスを体験していただき、自然と文化の遺産を共有できることに誇りを持っています。
そして、仲間はみな自慢の家族。私たちの家に友人をもてなすように、お客様をおもてなししています。」とアンソニー氏は言う。
実際トリサラのリゾート内では、笑顔を絶やさず、スタッフに話しかけたり、気にかけたりしているアンソニー氏の姿を見かけ、スタッフたちとの距離がとても近い。
また、リピーターがゲストの25%とも言われるトリサラでは、アンソニー氏がさまざまなゲストからも気軽に声をかけられている。
家族のようにスタッフを気にかけ、友人のようにゲストをもてなす。
エイドリアン氏から受け継がれた、家族的なホスピタリティーは、自然な形でトリサラに引き継がれ、しっかりと定着しているようだ。

自然が呼び覚ます心と身体

トリサラで、ラグジュアリーなひとときを過ごすためのお勧めをアンソニー氏に聞いてみた。
まず挙げたのは、「菜園から食卓へ」のコンセプトで新しいダイニング体験を提供している、「プル(PRU)」である。「植えて、育てて、理解する」哲学により、プーケットで初めてミシュラン一つ星を獲得している。
自家農園「プル・ジュンパ」で栽培された食材、あるいは現地の農家、漁師によって調達された食材は、トリサラのシェフ、ドゥ・キュイジーヌのジミー・オファーストの手によって、素材が革新的な料理へと変わっていく。
素材に丁寧に手をかけることで、こんなにも深い味になるのかと驚かされる。

伝統的な現地のママの味を大切にした「シーフード・アット・トリサラ」もミシュランプレートを受賞しており、「トリサラ」の食における質の高さが伺える。もちろん、ミシュラン・レストランだけでなく自分のヴィラでのプライベートBBQも楽しむことができる。
次にアンソニー氏が挙げたのは「ジャラ・スパ」での「ロイヤルトリサラ6ハンドマッサージ」だ。
「すべてのゲストが体験すべき」とアンソニー氏が勧める6つの手によるマッサージは、健康への旅。再活性化、心身の再生、老化予防、精神的癒し、喜びをもたらすパワーの5本の柱を哲学とし、バランスのとれたウェルビーイングの実現を目指している。栄養価の高いオイルやハーブを使い、身体のエネルギーを落ち着かせるための熟練のマッサージは、極上の時間を作り出す。
3つ目に挙げたのは「サンセット・シャンパン・クルーズ」だ。楽しく教育的な子供を対象としたアクティビティ、プーケットの最高の楽しみ方など、さまざまな体験が提供されている。
サンセット・クルーズも感動的だが、アンソニー氏によれば、朝のプライベート・クルーズの素晴らしさも欠かせないらしい。パンガー湾の魔法のようなジェームスボンド諸島を探索するのも、格別なひと時に違いない。

伝統と革新の融合からインスパイアされる体験

トリサラでは、ゲストがラグジュアリーに求めるものの変化を捉えて、新しくユニークでインスパイアされるような体験を開発し、サービスや設備の改良を続けているという。
最後にアンソニー氏に、これからのトリサラの今後の計画について伺ってみた。
「私たちは4つの新しい 『ビーチフロント カバナ(Beachfront Cabana’s)』をオープンしました。このビーチフロントでは、バトラーと専用ビーチフロントのスパ、ダイニングメニューを備えて、プライベートなビーチフロントでの体験を提供しています。
また、トリサラキッズ体験とキッズクラブをリニューアルしました。子供たちは自然に触れることで、様々な体験やスキルを身につけることができるのです。」
長年ラグジュアリーリゾートでキャリアを積んできたアンソニー氏は、見た目だけの豪華さだけで経験が伴わない贅沢は、ラグジュアリーとは言えないことを十分理解している。
特にラグジュアリーで最も重要なのは、ゲストのプライバシーを守り、そっとしておくことだとも考えている。確かにトリサラでは他のゲストに遭遇するということはあまりないが、スタッフに聞くといつも満室に近いのだ。プライバシーの観点から客室数に対して敷地が広く、ゲストの動線や視線がぶつかりにくいようにリゾート内が設計されているのだろうと腑に落ちた。
「私は、ラグジュアリーはモノではなく、経験からの結果であると信じています。」とアンソニー氏は言う。

「トリサラのお客様は、極上のスパ・トリートメントや、自分だけのプライベートプールからのシンプルな夕日の美しさ、あるいは熱帯雨林での朝の散歩から、ふとした瞬間から、それぞれのラグジュアリーな体験を見つけることができるでしょう。」
ラグジュアリーの本質を深く知るアンソニー氏だからこそ、ゲストが求めるものや感性は変化しやすいものであることも理解している。そのため、アンソニー氏はトリサラを今のまま立ち止まらせるつもりはない。常に変革を続けていく覚悟だ。デジタルメモリー・サービスDDENも最近の変革のうちの一つ。リゾートでのゲストのストーリーを映像や画像として記録してくれるサービスである。
進化し続けるトリサラが次に提案するラグジュアリーな「経験」は、果たしてどんなものになるだろうか。

アンソニー・ラーク氏

アンソニー・ラーク氏(Anthony Lark) は、プーケットのリゾート「トリサラ」の常務取締役および総支配人(GM)である。
アンソニー氏はオーストラリアのシドニー生まれ。シドニーのウェントワース&リージェント・ホテルにて、30年におよぶ観光業界でのキャリアを見習いから開始し、すべての部門の仕事を経験した。
その後、リージェント・シドニー(現在のフォーシーズンズ)にプレ・オープニング・チームの一員として参画した。
リージェント・シドニーでの3年の後にクイーンランドに移り、オーストラリア西部の複数のリゾートでキャリアを重ねた。
1988年、アマン・リゾート創始者のエイドリアン・ゼッカにヘッドハンティングされた27歳のアンソニー氏は、アマン・リゾート第一号アマンプリ・プーケットをオープンさせ、GMに就任。アマンプリはすぐに、そのデザイン、サービススタイル、ロケーションの革新性と品質の高さで伝説となり、多くの賞を受けることとなった。
アマン・リゾートに勤務した12年間に、インドネシア、ビルマでの4つのアマン・リゾートのオペレーション、コンセプト設計、プレ・オープニングの責任者を務めた。
2000年にアマン・リゾートを退社後、モンタラ・ホスピタリティに入社。トリサラを共同開発し、オープンさせた。
デザイン・コンサルタント、および世界各地の購入者に個人所有の大型ヴィラを販売する業務にも携わった。
今やアンソニー氏は、ラグジュアリー・トラベル・バイブルで最高の評価を受けている。

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+66 (0) 76 683320-6
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