ゾウたちが訪れる憩いの場所
ウォーターホールにある瀟洒なロッジ
ゾウたちが水を飲みに現れる「ウォーターホール」を備えたロッジが「フォーシーズンズ・セレンゲティ」。朝、目を覚ますと目の前には数十頭のゾウの群が出現、そんな光景に出会えるのもセレンゲティではここだけだ。
カナダに本社を持つフォーシーズンズ・ホテル&リゾーツはパーソナル・ホスピタリティを根幹とする世界優秀のラグジュアリー・ホテル・グループで、現在では世界36ケ国、100件以上のホテルを展開している。特に2000年代以降はアフリカに進出、かつてなかったスモール・ラグジュアリーという世界観で世界中の富裕層から愛されているホテルだ。セレンゲティ北部に位置する「フォーシーズンズ・セレンゲティ」もそんなフォーシーズンズの世界観がいたるところに散りばめられている。セレンゲティのほぼ中央に位置するセロネラ空港に降り立ち、専用車に乗り換えて移動すること約1時間。車窓から見えるセレンゲティの眺めを堪能しつつ、明日からのゲーム・ドライブに思いを馳せていると間もなく「フォーシーズンズ・セレンゲティ」に到着した。その外観は周囲に溶け込むよう配慮された、茅葺き屋根。アフリカの伝統的スタイルを踏襲しているのだが、足を踏み入れてみると都会の最高級ホテルの雰囲気そのままで、1時間のドライブのあとだけにその心地よさがより一層ありがたく感じられる。広大な敷地は周囲をサバンナに囲まれており、最大の特徴はウォーターホールと呼ばれる大きな人口の池が目の前にあること。乾季ともなればアフリカ象をはじめ、多くの野生動物が水を飲みにやって来る光景が、届きそうな距離で見られるのはここだからだろう。
豊かに命を紡ぐ場所旅の目的となるロッジ
プレジデンシャル・ヴィラの広いリビング・ダイニング。右手にある6人掛けダイニングテーブルの奥にはインフィニティプールがあり、象の姿も眺められる。
「フォーシーズンズ・セレンゲティ」では、ウォーターホールに集まる動物たちを部屋にいながらにして観察できるのが最大の特徴。宿泊するならばやはりウォーターホールに面したタイプを選びたいが、ハイライトとなるのがプレジデンシャル・ヴィラだ。広さは242m²で専用バスルーム付きのベッドルームなので家族や友人たちと気兼ねなく滞在するのもいい。高低差のあるヴィラ内ではあらゆる角度からウォーターホールが観察できるのだが、プライベート・インフィニティ・プールからの眺めはまた別格。デイベッドに寝そべりながら象たちが集まるのを待つのもいいし、プールに飛び込んで身を委ねていると戸外の水飲み場と一体化して象たちと一緒に泳いでいるような気分になる。
インフィニティ・プールに隣接しているのが専用キッチンを備えた広いリビング・ダイニング・ルーム。ここからの眺めもまた素晴らしく、グループで楽しみながら料理をするのもいいし、シェフを招いてのインルーム・ダイニングも可能だ。時には頭を超える大グループの象が水を飲みに来ることもあるので、そんな光景を目の当たりにしつつの食事は他では決して体験できない。
天蓋付きのキングサイズベッドは虫除け機能にもなっているので快眠は約束されたようなもの。専用テラス付きの広いバスルームとともに、まるで都会でくつろいでいるかのような、快適な時間を過ごすことができるのだ。プレジデンシャル・ヴィラ以外にもカップル向きのベッドルーム・ヴィラ、テラススイートなどウォーターホールを眺められる部屋もあり、リビングでサバンナを感じられるほどの至近距離で観察ができる。夜明け前、ふとした気配で目を覚ませば窓の外には月光に照らされた象の群が。親子仲良く寄り添って一心不乱に水を飲む光景は、とても現実世界とは思えないことだろう。そんな神秘体験ができるのも「フォーシーズンズ・セレンゲティ」ならではの醍醐味だ。
プレジデンシャルスイートのダイニングコーナーで、 2人だけのランチタイム。シェフ特製の料理に舌鼓を打ちつつ、 象が訪れるのを待つ。 象が やってきたらしばしナイフとフォークを持つ手を休めて、グラス片手にテラスから象たちを観察 する。 そんな時間が過ごせるのもプレジデンシャル・ヴィラならではの醍醐味のひとつである。
これこそ特等席大草原へ溶け込む圧巻没入体験
さまざまなシチュエーションでのダイニング体験ができるのも「フォーシーズンズ・セレンゲティ」ならではの楽しみだ。サバンナで日過ごしてさまざまな動物たちを目撃できたなら、その夜のディナーは特別なシチュエーションでしめくくりたい。
セレンゲティ国立公園のど真ん中に2人だけのテーブルをセッティングし、周囲には松明の灯りをともす「ディナー・イン・ブッシュ」。周囲はマサイ族の戦士たちが見守ってくれ、動物の侵入を防いでくれる。アフリカの星空を見上げながらの食事は忘れられない体験となるはずだ。さらにアクティブに過ごすならば、マサイ族が使う小径を通って日没時の丘の頂上(コピエ)に登り、壮大なパノラマとカクテルを味わうサンダウナータイムも一度は体験してみたい。」
Dinner in The Bush
猛獣が住み着くサバンナのど真ん中で素敵なディナーを用意したいのであれば、「ディナー・イン・ブッシュ」を体験して欲しい。夕暮れ時に、並べたキャンドルの中央に2人きりのテーブル。フルコースはもちろん、ワインも楽しめる。危険がないようマサイ族が常に目を光らせ、安全を確保しているのだ。非日常のど真ん中で、この後の2人の旅路について、ワインを嗜みながら語ってはいかがか。
Elephant Breakfast
ウォーターホール正面のテラス席に朝食をセッティングし、象が姿を表すのを待ちながらのエレファント・ブレックファースト。ふとウォーターホールに象の群が現れ、親子連れが美味しそうに水を飲む姿を眺めていると、本当に自分がアフリカの大自然の中にいることが実感できる。最高の1日のはじまりは最高の朝食から。
Picnic Lunch
四輪駆動でサファリに出かけたゲームドライブの途中、サバンナでとるピクニックランチはライトかつヘルシー。アウトドアでのアクティビティの途中での食事は軽快なものがふさわしい。サンドイッチにサラダ、フルーツ、ポットに入った熱々の紅茶。お供にワインを一杯だけ。ピクニックを終えたらまた動物を探してサバンナへ。
Masai Dinner
メインロッジにあるレストランにて、趣向を凝らしたマサイ・ディナーというのはいかがだろう。マサイ族の戦士たちが伝統衣装に身を包み、高く飛び上がるジャンプやダンス、歌でゲストを歓迎してくれる。誰よりも高くジャンプできるマサイの戦士は仲間たちから敬意を表され、マサイ族の女性たちからの信頼も厚いという。
In room Dining
ヴィラ、テラススイート、ホライゾンルーム、サバンナルームとロッジにあるゲストルームはいずれも広いテラスが付いている。ウォーターホールを見下ろすテラスで、あるいは半戸外的開放感があるリビングルームでのインルームダイニング。室内のモニターからはWEBカメラで、常時ウォーターホールの様子が観察できる。
Sunset Cocktails
マサイ族とともに遊牧に使う小径を通って小高い丘に上り、丘の上から日没を眺めるサンダウナー・タイム。夕暮れとともにカクテルを味わうのはアフリカでの滞在では重要なひととき。1日のアクティビティをしめくくり、夕焼けを見つめつつ乾いた喉を潤す。これから始まるディナーの前、アペリティフの時間を嗜みたい。
Romantic Dinner
ウォーターホールを見下ろすインフィニティプールに作られた浮島=アイランドでのディナータイム。夕日が水面に反射して輝き、周囲はなんともいえないロマンティックな雰囲気に包まれる。プールの真ん中で食事するという特殊なシチュエーションは、夜の闇がおりて来ると、水上で過ごしているかのような不思議な気分に包まれる。
What in Sustainable Experience
in Serengeti
環境保護や持続可能な未来についても真剣に取り組んでいる。ゲームドライブやウォーキングサファリ、またはブティックで購入したアイテムなどの売り上げの一部は、自動的に野生動物を保護するディスカバリーセンターの基金に活用される仕組みになっている。
また、野生動物のみならず、マサイ族ら人間の暮らしを含む、セレンゲティの環境全てが持続可能であるよう常に努力している。例えば、ロッジのサプライヤーは%タンザニアからきており、ブティックで販売している商品は90%がアフリカ製。特にシャンガシャンガー社の製品は地元の障害者の雇用を生み出し、ガラスなどリサイクル素材を活用したり、マサイ族の女性が手作りしたビーズジュエリーやアクセサリーを販売、マサイ族の生計維持に寄与している。
タンザニア観光における将来のリーダー育成のためにセレンゲティ観光大学をはじめとした地元の大学と提携し、インターンシップや奨学金も提供している。環境的にはセレンゲティで唯一下水処理施設も有するロッジであり、その再生水は様々な用途に活用されている。アメニティのプラスチック素材やペットボトルもロッジ内には存在しない。食品廃棄物も動物の飼料として使用するために地元の農家に寄付している。ゲストに都会で過ごしているかのような快適さを提供すると同時に、環境への配慮も最大限に考慮した活動である。「フォーシーズンズ・セレンゲティ」では真の意味でのアフリカとの共生が体感できるのだ。
1日かけて出かけるツアーなら世界最大級の火山カルデラ、ンゴロンゴロに出かけるクレーターサファリツアーもある。これは移動距離も時間もかかる本格的なアドベンチャー。また、マサイ族とともにその文化を識るツアーも多く用意されており、ンゴロンゴロにあるマサイ族のボマ村を訪ねたり、人類の祖先であるアウストラロピテクスの骨が発見されたオルドバイ渓谷の考古学遺跡や化石に触れることもできる。また、マサイ文化をより深く知りたいならば、ドライバーガイドに加えマサイ居住者とともにセレンゲティ南西部にあるモル・コピエス地区への1日ドライブコースがいいだろう。この地域に生息するクロサイを見るまたとない機会であり、マサイ族の案内で奇岩ゴングロックや岩絵について詳しく解説してくれるのだ。西の回廊と呼ばれる地域に出かければ5月から7月にかけて数十万頭にもなるヌーの大群に遭遇できる確率が高くなるようだ。